Amazonの在庫管理方法|セラーセントラル・FBAの使い方とIPI改善策を解説

Amazonで商品を販売するうえで、在庫管理は売上と利益を左右する最も重要な業務のひとつです。在庫が切れれば販売機会を失い、検索順位も低下します。逆に在庫を持ちすぎれば、保管手数料がかさんでキャッシュフローを圧迫します。
しかし、「セラーセントラルの在庫管理機能をうまく使いこなせていない」「FBA在庫の適正量がわからない」「IPI(在庫パフォーマンス指標)のスコアが下がってきた」と悩んでいるセラーの方も多いのではないでしょうか。
Amazonの在庫管理には、FBA(フルフィルメント by Amazon)とFBM(自己発送)の2つの方式があり、それぞれで管理の方法やコスト構造が大きく異なります(参考:Amazon出品サービス FBAヘルプページ)。
本記事では、Amazonの在庫管理の基本からセラーセントラルの操作方法、FBAの在庫管理で注意すべきポイント、IPI(在庫パフォーマンス指標)の改善策、そして在庫切れ・過剰在庫を防ぐための実践手法までを体系的に解説します。
| 確認したいポイント | 結論 | 詳細 |
| Amazon在庫管理の基本的な方法は? | FBAとFBM(自己発送)の2方式がある | FBAはAmazon倉庫に商品を預けて保管・出荷を委託する方式、FBMは自社で在庫を管理し出荷する方式で、それぞれメリットが異なる。 |
| セラーセントラルでできる在庫管理は? | 在庫一覧・数量更新・FBA在庫確認が可能 | セラーセントラルの「在庫」タブから出品商品の在庫数確認・編集、FBA在庫のステータス確認、納品プランの管理などが行える。 |
| FBA在庫管理で注意すべきことは? | 保管手数料と長期保管手数料に注意 | FBA倉庫での保管には月額保管手数料がかかり、365日以上保管された在庫には長期保管手数料が追加で発生する。 |
<この記事でわかること>
・Amazon在庫管理の2つの方式(FBA・FBM)の違いと、それぞれのメリット・デメリットがわかる。
・セラーセントラルの在庫管理機能の使い方と、FBA在庫を確認・管理する具体的な操作手順がわかる。
・FBA在庫の保管手数料・長期保管手数料の仕組みと、コストを最小化するための対策がわかる。
・IPI(在庫パフォーマンス指標)の仕組みと、スコアを400以上に維持するための改善方法がわかる。
・在庫切れと過剰在庫を防ぐための需要予測・発注点管理・在庫回転率の考え方がわかる。
目次
Amazon在庫管理の基本|FBAとFBMの2つの方式
Amazonでの在庫管理を理解するためには、まずFBA(フルフィルメント by Amazon)とFBM(Fulfillment by Merchant、自己発送)という2つの出荷方式の違いを押さえる必要があります。どちらを選ぶかによって、在庫管理の方法やコスト構造が大きく変わります。
FBA(フルフィルメント by Amazon)の仕組み
FBAは、商品をAmazonのフルフィルメントセンター(FC)に納品し、保管・出荷・配送・返品対応・カスタマーサポートまでをAmazonに委託する方式です。セラーが行う作業は、商品の仕入れとFCへの納品のみとなり、日々の在庫管理や発送業務の負担を大幅に軽減できます。
FBAを利用すると、商品にPrimeマークが付与され、翌日配送の対象となるため、カートボックスの獲得率や購入率(CVR)の向上が期待できます。一方で、FBA配送代行手数料と在庫保管手数料が発生するため、利益率の低い商品や回転率の低い商品ではコスト負けするリスクがある点に注意が必要です。
FBM(自己発送)の仕組み
FBMは、自社倉庫や外部の物流倉庫で在庫を管理し、注文が入ったら自社で梱包・出荷を行う方式です。FBAと比べて手数料を抑えられる反面、出荷作業やカスタマー対応を自社で行う必要があるため、運用の手間が増えます。
FBMの場合、セラーセントラル上の在庫数と実在庫の整合性を自分で管理する必要があります。注文が入るたびにセラーセントラルの在庫数と実在庫にずれが生じないよう、リアルタイムでの在庫連動が求められます。大型商品や低回転商品など、FBA保管手数料が高くなる商品はFBMの方がコスト面で有利になるケースがあります。
FBAとFBMの使い分けのポイント
FBAとFBMはどちらか一方に統一する必要はなく、商品ごとに使い分けるのが最適な運用方法です。一般的に、回転率が高く利益率20%以上の商品はFBA、大型で保管手数料が高い商品や低回転の商品はFBMが適しています。
また、FBAとFBMを併用することで、FBA在庫が切れた場合にFBMで販売を継続するというリスクヘッジも可能です。セラーセントラルでは、同一商品に対してFBAとFBMの両方で在庫を登録し、それぞれ個別に管理できます。
関連記事:Amazon手数料の完全ガイド|出品プランからFBAまで解説
セラーセントラルでの在庫管理方法
Amazonセラーセントラルには、在庫の確認・編集・補充計画に活用できる管理機能が備わっています。ここでは、出品者が日常的に使う主要な在庫管理機能を解説します。
「在庫管理」画面で出品商品を一覧管理する
セラーセントラルの「在庫」タブから「在庫管理」を選択すると、出品中のすべての商品を一覧表示できます。各商品のSKU、ASIN、価格、在庫数、ステータス(出品中・停止中など)を確認でき、個別に在庫数の変更や価格の更新が可能です。
FBM出品の場合は、この画面から直接在庫数を入力・更新します。実在庫とセラーセントラル上の在庫数にずれが生じないよう、入出庫のたびに更新するか、在庫管理ツールとの連携で自動同期する仕組みを整えましょう。
「FBA在庫管理」でFBA在庫のステータスを確認する
FBAを利用している場合は、「FBA在庫管理」画面から各SKUのFBA在庫数、入荷中の数量、保留中の数量、出荷不可在庫の数量などを確認できます。入荷中の商品が倉庫に着荷して受領されるまでのステータスもここから追跡可能です。
「出荷不可在庫」が発生している場合は、商品の破損や返品品の検品結果によるものが考えられます。出荷不可在庫は販売できないままFBA倉庫で保管料がかかり続けるため、「返送」または「廃棄」の処理を早めに行い、無駄なコストの発生を防ぎましょう。
関連記事:【最新版】Amazon出品レポートとは?種類や確認方法などを解説します!
「在庫健全性」レポートで補充計画を立てる
セラーセントラルの「在庫健全性」(旧:在庫ダッシュボード)では、各商品の在庫日数、推奨補充数量、長期保管手数料の発生見込みなどを確認できます。このレポートは、在庫の過不足を防ぐための意思決定に非常に役立ちます。
特に「推奨補充日」の列は、過去の販売ペースをもとにAmazonが自動計算した在庫補充のタイミングを示しているため、次回のFBA納品計画を立てる際の参考になります。毎週このレポートを確認し、在庫切れが発生する前に補充を行う運用を習慣にしましょう。
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FBA在庫管理で知っておくべき手数料の仕組み
FBAを利用する際に在庫管理と密接に関わるのが、在庫保管手数料と長期保管手数料です。これらの手数料の仕組みを正しく理解しないまま運用すると、利益を大きく圧迫する原因となります。
月額在庫保管手数料の計算方法
FBA倉庫に商品を保管している間は、商品の体積と保管日数に応じて月額在庫保管手数料が発生します。手数料は「1月〜9月」と「10月〜12月(繁忙期)」で異なり、繁忙期は通常期の約2〜3倍に上がります。
たとえば、標準サイズの商品で1月〜9月は1日あたり約5.676円/立方メートル、10月〜12月は約9.170円/立方メートルが目安です。大型商品はさらに高くなるため、商品サイズごとの保管手数料を事前に計算し、保管期間が長引かないよう在庫回転率を意識した管理が重要です。
長期保管手数料(長期在庫追加手数料)の回避方法
FBA倉庫に365日以上保管された在庫には、長期保管手数料(長期在庫追加手数料)が追加で発生します。この手数料は通常の保管手数料よりも高額であるため、長期間売れ残った商品を放置すると、在庫を保管しているだけで赤字になりえます。
長期保管手数料を回避するためには、在庫年齢(FBA倉庫での保管日数)を定期的にチェックし、270日を超えた在庫については値下げ販売、返送、または廃棄の判断を行いましょう。セラーセントラルの「在庫健全性」レポートでは、長期保管手数料の発生が見込まれる在庫を事前に確認できます。
保管コストを最小化するための実践策
FBAの保管コストを抑えるポイントは、必要な分だけこまめに納品し、在庫回転率を高く維持することです。一度に大量納品するのではなく、販売ペースに合わせて2〜4週間分の在庫を目安に補充するサイクルが理想的です。
また、10月〜12月の繁忙期は保管料が上がるため、繁忙期前に不採算在庫を処分しておくことでコストを削減できます。パッケージサイズの最適化も有効で、わずか1cmの差でサイズ区分が変わり、保管料や配送代行手数料が変動するケースがあります。
IPI(在庫パフォーマンス指標)の仕組みと改善方法
Amazonは、FBAを利用するセラーの在庫管理能力をIPI(Inventory Performance Index:在庫パフォーマンス指標)というスコアで評価しています。IPIの仕組みを理解し、スコアを適切に維持することは、FBA在庫管理の根幹をなす重要なポイントです。
IPIスコアの仕組みと評価基準
IPIは0〜1,000のスコアで評価され、400以上を維持することが最低条件とされています。400を下回ると、FBA倉庫の在庫容量に制限がかかるほか、超過分に対してペナルティ手数料が発生します。目標としては600以上を目指しましょう。
IPIスコアは主に4つの要素で構成されています。「余剰在庫の割合」「FBA販売率(在庫回転率)」「有効な出品情報がないFBA在庫の割合」「FBA在庫なし率(在庫切れ率)」の4指標を総合的に評価し、スコアが算出されます。
関連記事:【400未満はNG?】Amazon在庫パフォーマンス指標(IPI)とは?
IPIスコアを改善する4つの施策
1つ目は、余剰在庫を減らすことです。セラーセントラルの「余剰在庫を減らす」ページから、Amazonが余剰と判断した商品を確認し、値下げ・返送・廃棄のいずれかの対応を行います。余剰在庫の割合を低く保つことがIPIスコア改善の最短ルートです。
2つ目は、FBA販売率(在庫回転率)を高めることです。SEO対策や広告運用で販売を促進し、FBA在庫が滞留しないようにします。回転率の計算式は「月間売上÷平均在庫額」で、この値が2を下回る商品は要注意です。
3つ目は、有効な出品情報がないFBA在庫を解消することです。FBA倉庫に在庫があるにもかかわらず、出品が停止している商品がある場合はIPIスコアが低下します。出品停止の原因(情報の不備、審査待ちなど)を特定し、速やかに出品を再開しましょう。
4つ目は、在庫切れ率を下げることです。人気商品の在庫切れはIPIスコアを下げるだけでなく、販売機会の損失と検索順位の低下を招きます。販売データをもとに需要を予測し、在庫切れが発生する前にFBAへの補充を完了させましょう。
関連記事:AmazonのSEO対策方法を徹底解説!上位表示で売り上げUP
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在庫切れ・過剰在庫を防ぐための実践的な在庫管理手法
在庫管理の最大の課題は、「在庫切れ」と「過剰在庫」のどちらも発生させない適正在庫を維持することです。ここでは、データに基づいた在庫管理の実践手法を解説します。
販売データから需要を予測する
適正在庫を維持するためには、過去の販売実績をもとに将来の需要を予測することが基本です。セラーセントラルのビジネスレポートや在庫健全性レポートから、商品ごとの日次・週次・月次の販売数を確認し、直近の販売ペースから今後の需要量を推計します。
季節性のある商品は、前年同月のデータも参考にしましょう。加湿器は秋冬、日焼け止めは春夏のように、季節ごとに需要が大きく変動する商品は、ピーク前に十分な在庫を確保し、シーズン終了時には早めに在庫を処分する計画が必要です。
発注点(リオーダーポイント)を設定する
発注点とは、「この在庫数を下回ったら次の仕入れ・FBA納品を行う」という基準値のことです。発注点を設定しておくことで、在庫切れが発生する前に補充を開始でき、販売機会の損失を防げます。
発注点の計算式は「1日あたりの平均販売数×リードタイム(仕入れ・納品にかかる日数)+安全在庫」です。たとえば、1日平均5個売れる商品で、仕入れからFBA受領まで14日かかる場合、「5×14+20(安全在庫)=90個」が発注点の目安となります。在庫が90個を下回ったら次の発注を開始するというルールです。
関連記事:【Amazon出品者向け】在庫切れの対策法&起こった場合の対処法を解説
在庫回転率を管理して過剰在庫を防ぐ
在庫回転率は、一定期間内に在庫が何回入れ替わったかを示す指標で、「月間売上÷平均在庫額」で計算します。在庫回転率が高いほど在庫の滞留期間が短く、保管コストを抑えながら効率的に販売できている状態を示します。
在庫回転率が2を下回る商品は、過剰在庫になっている可能性が高いと判断できます。こうした商品は、値下げ販売やセールへの参加で在庫を消化するか、FBA倉庫からの返送を検討しましょう。定期的に全SKUの在庫回転率をチェックし、不採算商品を早期に特定する仕組みを整えることが大切です。
関連記事:Amazonランキングの調べ方とは?ランキングの仕組みや活用方法も解説
Amazon在庫管理を効率化するツールと一元管理の方法
出品商品数が増えたり、Amazon以外のECモールにも出店している場合は、在庫管理ツールや一元管理システムの導入で業務効率を大幅に改善できます。
在庫一元管理ツールの役割とメリット
在庫一元管理ツールとは、Amazon・楽天・Yahoo!ショッピングなど複数のECモールの在庫を一括で管理し、在庫数の自動連動や受注処理の効率化を実現するシステムです。ネクストエンジンやCROSSMALLなどが代表的なツールとして知られています。
在庫一元管理ツールを導入すると、あるモールで商品が売れた際に他のモールの在庫数も自動で減算されるため、在庫差異(売り越し)のリスクを大幅に低減できます。手動での在庫更新作業が不要になることで、ヒューマンエラーの防止と業務工数の削減にもつながります。
プライスター・マカドの在庫管理機能
前回の記事で紹介した価格改定ツールのプライスターやマカドにも、在庫管理や売上分析の機能が搭載されています。プライスターでは商品ごとの利益計算や月次の売上推移をリアルタイムで確認でき、在庫の回転状況を把握するのに役立ちます。
ただし、プライスターやマカドはあくまでAmazon専用のツールであるため、楽天やYahoo!ショッピングなど他モールとの在庫連動には対応していません。複数モールを運営している場合は、在庫一元管理ツールとの併用を検討しましょう。
セラーセントラルのレポート機能を活用する
外部ツールを導入しなくても、セラーセントラルのレポート機能を活用すれば、基本的な在庫分析は十分に行えます。「在庫健全性」レポート、「FBAの在庫年齢」レポート、「ビジネスレポート」の3つを定期的にチェックすることで、在庫の過不足を早期に発見し、適切な対応を取ることが可能です。
これらのレポートをエクスポートしてスプレッドシートで管理すれば、SKUごとの在庫推移や回転率の変化を時系列で追跡できます。コストを抑えながら在庫管理の精度を高めたい方は、まずセラーセントラルのレポート活用から始めてみましょう。
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まとめ:Amazonの在庫管理を最適化して売上と利益を安定させよう
Amazonの在庫管理は、FBA(Amazon委託)とFBM(自己発送)の2方式を商品特性に応じて使い分け、セラーセントラルの在庫管理機能で日常的に在庫状況を把握することが基本です。FBAを利用する場合は、月額保管手数料と長期保管手数料の仕組みを理解し、保管コストを最小化するための在庫回転率管理が不可欠となります。
IPI(在庫パフォーマンス指標)は、余剰在庫の削減・販売率の向上・出品情報のない在庫の解消・在庫切れ率の低減の4つを改善することでスコアを維持・向上できます。スコア400以上を維持できないとFBA倉庫の容量制限やペナルティ手数料が発生するため、定期的なモニタリングが重要です。
在庫切れと過剰在庫を防ぐには、販売データに基づく需要予測、発注点(リオーダーポイント)の設定、在庫回転率の定期チェックの3つが柱となります。セラーセントラルのレポートや一元管理ツールを活用し、データに基づいた在庫管理を実践して、Amazonでの安定した売上と利益の確保を目指しましょう。














