越境EC成功事例14選|成果最大化のポイント

世界市場を視野に入れた越境ECは、今や多くの日本企業にとって新たな成長戦略の柱となりつつあります。しかし、言語・文化・物流の壁を乗り越えるには、正しい知識と戦略が不可欠です。
本記事では、越境ECで成果を上げている日本企業の成功事例14選を紹介しながら、失敗を避けるためのポイントや代行活用のメリットまで解説します。グローバル展開を検討中の企業担当者様は、ぜひ参考にしてください。
越境ECの成功事例14選

越境ECで成果を上げた企業には、独自のブランディングや現地最適化の工夫が見られます。ここでは、分野も規模も異なる14社の成功事例を取り上げ、それぞれの戦略的アプローチを紐解きます。
ユニクロ
グローバルに展開するアパレルブランド「ユニクロ」は、欧米からアジア諸国まで幅広く越境ECを展開しています。特に中国市場では、コロナ禍の中でも「エアリズムマスク」などの人気商品を通じて売上を回復し、ブランド力を維持しました。信頼性と品質を軸に、現地の需要に合った商品展開で着実にリピーターを獲得しています。
ヤーマン
美容機器メーカーのヤーマンは、中国のECモール「Tmall Global」に出店し、ライブコマースによる商品訴求で成功しました。特に「独身の日セール」での実績は注目されており、現地のインフルエンサーと連携した戦略が功を奏しました。美容家電の高機能性と“日本製”の安心感が、支持を集める要因となっています。
BENTO&CO
京都発のBENTO&COは、日本の弁当箱文化を世界に広めたECブランドです。ブログを活用した継続的な情報発信や、ShopifyとShip&coの連携による物流効率化など、小規模事業者でも越境ECを成功させる好例です。国際弁当コンテストなどのイベントで、文化的価値とブランディング強化にも成功しています。
Tokyo Otaku Mode
日本のポップカルチャーを武器に世界へ展開するTokyo Otaku Modeは、アニメやゲーム関連商品に特化した越境ECサイトです。Facebookで2,000万以上の「いいね!」を獲得するなどSNS活用に長けており、熱量の高いファン層を囲い込む導線設計が特徴です。配送面でも「150ドル以上の購入で送料割引」などを導入し、購買意欲を促進しています。
北海道お土産探検隊
北海道の土産品を海外へ届ける「北海道お土産探検隊」は、翻訳機能を活用して外国語対応を実現。人気ブランド「白い恋人」「六花亭」などの商品を軸に、海外観光客のリピート購入を越境ECで実現しました。社内に専門スタッフを配置し、海外対応体制を強化している点も注目に値します。
SAMURAI STORE
鎧や兜といった“サムライ文化”に特化したSAMURAI STOREは、2002年から越境ECを展開する先駆的存在です。PayPalや多通貨対応といったインフラ整備と、商品の特性に合ったグローバル展開により、ニッチな市場で圧倒的な支持を得ています。明確な世界観とカテゴリー設計が、購入導線のわかりやすさに繋がっています。
トラスト企画
GT-Rなどの国産スポーツカー部品を販売するトラスト企画は、eBayを活用した越境ECで海外の熱狂的ファン層を獲得しました。純正パーツへの信頼感と「日本直送」のブランドイメージを掛け合わせ、マーケットニーズに対応。実店舗なしでも信頼を勝ち取った例として参考になります。
Fake Food Japan
食品サンプルを海外向けに販売するFake Food Japanは、日本ならではの“本物そっくり”な工芸品を強みに、アート性の高い商品を小物や雑貨として展開。海外の飲食業関係者や観光客向けに広く展開し、ユニークな日本文化の輸出に成功しました。オリジナリティが刺さる好事例といえるでしょう。
多慶屋
御徒町のディスカウントショップ「多慶屋」は、訪日客向けに実店舗での購買体験を起点とし、越境ECでのリピート購入に繋げる戦略を採用。Alipayの早期導入など、ターゲット国に合わせた決済対応も奏功しました。オフラインとオンラインを融合させたO2O施策の成功例です。
GLOKEN
けん玉の製造・販売を行うGLOKENは、けん玉ワールドカップの開催を通じて世界的なファン層と接点を築きました。文化啓蒙と商品販売を一体化させた独自戦略により、共感と体験を通じたブランド構築を実現しています。オンライン・オフラインのハイブリッド型マーケティングが強みです。
Kakimori
文具ブランド「Kakimori」は、商品そのものの魅力だけでなく、制作ストーリーや世界観をSNSやECサイトで丁寧に発信。特にオーダーメイドのインクなどパーソナライズされた体験価値が、海外の文具ファンの心を掴んでいます。小規模運営でも高単価販売を実現するモデルとして評価されています。
CD Japan
CDや雑誌、グッズなどカルチャー系商材に特化したCD Japanは、20年以上の運営実績と多言語対応サポートで、海外ファンに長く愛されているECサイトです。特典付き購入など付加価値を明確にし、リピーター獲得にも注力。物流・カスタマー対応の質の高さも評価されています。
タビオ
靴下専門ブランド「タビオ」は、自社ECサイトとBuyee Connectを連携させることで、国内運用を変更せず越境展開を実現。日本製品は質の高さと洗練されたビジュアル設計で、欧米市場でのブランド確立に成功しました。高価格帯商品の価値訴求が鍵となった事例です。
レトロアジア
中古ゲーム・ゲーム機に特化した「レトロアジア」は、日本在住のフランス人オーナーによる越境ECで、コアなニーズに応える展開が特長。商品ジャンルの絞り込みと、視覚的にわかりやすいサイト設計により、海外ユーザーから高い評価を得ています。日本独自のリユース文化を越境で活かした事例です。
越境ECの失敗事例に学ぶリスク

成功事例の裏には、多くの失敗事例が存在します。ここでは、参入後に想定外の問題が起きた4つの典型的なリスクを取り上げ、事前対策の重要性について解説します。
需要検証不足
市場調査を十分に行わないまま出品しても、現地ではニーズがなかったという例は少なくありません。特に「日本では売れているから海外でも通用する」といった思い込みは危険です。SNS分析や現地アンケートを活用して、事前に需要の有無を検証しておくことが重要です。
ローカライズ不備
翻訳精度の低さや、文化的文脈を無視した商品説明によって、顧客に誤解を与えるケースがあります。特に化粧品・食品などは成分表示や使用方法の表記ミスが命取りとなりかねません。プロのネイティブ翻訳やローカルスタッフの監修を入れるなど、慎重な対応が求められます。
物流コスト過小見積り
越境ECでは関税・国際送料・返品対応など、国内より遥かに複雑な物流対応が必要になります。利益率を計算せずに価格設定を行った結果、赤字になる例もあります。各国ごとの配送業者の比較や、バルク発送、海外倉庫の活用も視野に入れるべきです。
法規制違反リスク
進出先の法律を把握していないと、製品回収や罰金といった重大な損失に繋がります。特にEUのGDPRや各国の輸入制限、表示義務などは事前調査が不可欠です。現地法務に精通したコンサルティング企業や越境EC代行の利用が有効です。
越境ECの成功確率を高めるステップ

失敗を避け、成果を得るためには、戦略的なステップを踏む必要があります。ここでは越境ECを成功に導くための7つのステップを紹介します。
市場選定とKPI設定
最初に重要なのは、自社商材と相性の良い市場を選ぶことです。Google Analyticsやアクセスログから海外流入の多い国を特定し、ターゲット市場を絞り込むことで戦略の精度が高まります。並行してKPIを設定し、成果測定の基準を明確にしておくことも重要です。
プラットフォーム比較と選定
自社ECで展開するのか、Tmall・Amazon・Shopeeなど既存モールを活用するのかは、商材・資金・リソースによって最適解が異なります。集客力のあるプラットフォームを活用することで、認知拡大や初期集客のハードルを下げることが可能です。
ブランドストーリー設計
越境ECでは価格競争だけでなく、文化的背景や“物語性”が消費者の購買行動に影響します。商品の由来や製造工程、ブランドの理念などを明文化してストーリーとして発信することで、ファンの獲得につながります。
商品説明多言語化
商品ページは、ターゲット国の言語で丁寧に翻訳することが重要です。機械翻訳では伝わらないニュアンスや文化的な感覚を表現するためには、プロの翻訳者や現地スタッフの校正が欠かせません。
決済・配送導線構築
海外ユーザーが安心して購入できる環境を整えるには、現地で一般的な決済手段(PayPal、Alipayなど)への対応と、追跡可能な物流システムの整備が必要です。配送遅延や関税トラブルを回避するガイドラインも重要です。
プロモーション計画立案
現地のSNSトレンドや検索エンジンに合わせた集客施策を講じることで、効率的なリーチが可能になります。インフルエンサーマーケティングやGoogleショッピング広告など、現地広告との連携も検討しましょう。
データ分析と改善PDCA
出荷数・CV率・離脱ポイントなどのデータを定期的に分析し、課題の洗い出しと改善サイクルを回すことが、越境ECの長期的な成長には不可欠です。各国の反応を比較しながら、地域ごとの改善施策を実行していきましょう。
越境EC代行活用のメリットと選び方
初めての越境ECでリスクを抑えるためには、代行企業の活用も有効です。ここでは、代行活用の利点と選定ポイントを解説します。
コスト削減とスピード立ち上げ
越境EC代行を活用すれば、現地リサーチ・物流構築・カスタマー対応などの初期工数を大幅に削減できます。また、既に実績のある運用モデルを活用することで、0→1の立ち上げを短期間で実現できます。
専門知識と現地ネットワーク活用
現地法規制、文化、商習慣に精通したスタッフが対応するため、自社単独では対応困難な問題も回避しやすくなります。また、ローカルの広告・物流パートナーとのネットワークを活かすことで、集客・配送の最適化が図れます。
代行選定チェックリスト
信頼できる越境EC代行を選ぶためには、以下の点を確認しましょう。
- 対応可能な国・言語の範囲
- モール/自社EC/両方の対応可否
- 法務・物流・カスタマー対応の範囲
- 料金体系(成果報酬 or 固定費)
- 導入実績と過去のクライアント事例
特に、初めて越境ECを始める企業にとっては、ワンストップ支援のある代行が安心です。
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まとめ
越境ECは、世界に向けて自社製品やサービスを届けるチャンスを秘めた施策です。ユニクロやBENTO&COのような大手から、中小のニッチ商材まで、ターゲット国に合った戦略と準備を整えることで成功の可能性が広がります。一方で、言語・文化・物流・法律の壁を乗り越えるための対策も欠かせません。
もし越境ECの立ち上げや運用に不安がある場合は、越境EC支援に豊富な実績を持つ「株式会社そばに」にご相談ください。市場調査から戦略設計、実行支援まで一気通貫で伴走し、御社の海外進出を成功へ導きます。ぜひお気軽にお問い合わせください。
大阪府出身。学生起業でAmazon OEM自社ブランド事業を行いながらコンサルタントして活動。
その後新卒で(株)船井総合研究所に入社し、Amazonを中心としたECコンサルティングに従事。
独立し、ECコンサルとシステム開発を行う(株)NOVASTOを設立。
その後「(株)そばに」にEC支援事業を移管。Amazon販売支援歴10年、Amazon プラチナム・パートナー・エージェンシー企業として累計800社のAmazon販売事業者様のサポートし、多数のベストセラー獲得商品、Amazon.co.jp販売事業者ワード受賞企業を複数輩出してきた実績を持つ。
ゴルフパター練習機ブランド「PuttOUT」をM&Aで取得し、売上を1年半で10倍に成長させる。

















