「PuttOUT(パットアウト)」は、イギリス生まれのゴルフのパッティング練習器具専門ブランドです。日本では、ECコンサルティング会社である株式会社そばに(以下そばに)が総代理店を務めています。
もともとは別の企業がPuttOUTの代理店を務めていましたが、2023年1月の事業継承を機に、そばにの自社ブランドになりました。モール運用の代行・コンサルティング会社がしっかりと対策を行ったことで、継承当時300万円ほどだったPuttOUT の月商は、1年半という短期間で最大約2,900万円にまで拡大しました。
今回は、PuttOUTの事業責任者・上重と、集客と運用の大部分を担うディレクター・森岡にその軌跡を聞きました。
「楽しみながら上達」にこだわったラインナップ、イギリス生まれの高級志向ゆえに単価は高め。自社ECのみの運営で認知度も低い
PuttOUTの商品コンセプトは、「楽しみながら上達する」。自社ECサイトには、想いをそのまま現実化するこだわりのパター練習器具が並びます。
PuttOUTの顔ともいえる「パットトレーナー」は、パターでジャストタッチを狙いながら距離感覚を養える練習器具です。
しかし、こだわりが詰まっている分、価格は一般的なものより少し高め。それゆえに、他社商品と比較検討されたときにはなかなか選ばれにくい存在となっていました。
さらに、認知度の低さも課題でした。前任にあたる代理店は、基本的に自社ECのみで販売していたため、あまり多くの人に知られていませんでした。
「高単価」「低認知度」の商品であるため、「パター 練習器具」のような一般検索キーワードではサイト上位に表示されず、購買に繋がりません。
「当社はAmazonの運用代行・コンサルティングをメイン事業とする企業ですので、まずはAmazonに出品し、集中的に取り組みました。」(森岡)
【そばにが事業継承する前の課題】
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まずは販路を拡大し、その後認知度を上げるー販売プラットフォーム整備の重要性を思い知る
ECサイトの専門家としてまず取り組んだのは、チャネルの拡大です。
「Amazonで少し利益が出始めたタイミングで、楽天市場にも参入しました。ほかにも主要なECサイトにはすべて出品しましたが、やはりボリュームが大きいのは、Amazonと楽天市場です。」(森岡)
「はじめに主要モールを一気に抑えたところが、大きな分岐点になったと感じています。
例えば、「認知が低いから」とやみくもに認知拡大に走ってしまうと、せっかく認知度が上がったとしても、その注文を受ける器がありません。つまり、取りこぼしが発生するのです。
認知拡大前にしっかりと受け皿を整備しておく重要性を身を持って実感しました。」(上重)
「ビッグセールの活用×インフルエンサー施策」で一気にたたみかける!月商は1年半で10倍に
ECサイトで売上を一気に上げるきっかけとして活用しやすいのは、「ビッグセール」です。Amazonならプライムデー、楽天市場であれば3ヶ月に1回開催されるスーパーセールが該当します。
そこでしっかり割引を行うことがポイントです。
「割引で利益的に厳しい部分が生じたしても、そこで一気に販売実績やレビューがつくんです。そうすると、セールが終わるころにはSEOが上昇します。
ECサイトでは、「いかにSEO上位のキーワードを押さえるか」が重要ポイントです。」(森岡)
「我々がセミナーなどでもよく紹介するのは、セールが終わったあとの話です。
セール終了後に広告数を下げ、売りの姿勢を弱める出店者が多いのですが、当社の方針は「弱めない」ことが多いです。
SEOを下げないよう、積極的に情報は出し続けることで、SEO上位を維持したまま次のセールを迎えられます。」(上重)
つまり、セールが開催されればされるほど、SEOがどんどん強化されていくわけです。こうしたものは、自社ブランドを運用しているそばにだからこそ提案できる施策です。
ただ、チャネルを拡大したからといって、いきなり潮目が変わったわけではありませんでした。
「売上の桁が変わるきっかけとなったのは、インフルエンサー施策です。PuttOUTというブランドそのものの認知を伸ばすために、インフルエンサーにPRを依頼し、ECサイトでの指名検索につなげました。」(上重)
インフルエンサー施策においても、そばに独自のこだわりがあります。
「当社がこだわっているのは、「初期コストを抑える」「販売に繋げる」というところです。
現在お付き合いのあるインフルエンサーは60人(インスタグラマー40名/ユーチューバー20名)ですが、大物インフルエンサーはメインではありません。その理由は、初期コストがかかり過ぎる、そしてフォロワーが多い=販売に繋がる訳ではないからです。」(森岡)
そばにが起用しているのは、フォロワーが数千人、最大でも10~20万人くらいまでのインフルエンサーが多く含まれます。フォロワーの数が少なくても販売に繋がるインフルエンサーを見極めて依頼するそうです。
また、PuttOUTの認知拡大においては、リアルイベントへの出店もキーポイントでした。日本最大級のゴルフイベントにブース出展し、多くの方に実際に触れていただくことで認知度の拡大に繋がりました。
インフルエンサー施策とリアルイベントへの出店で得られた認知を、さまざまなチャネルでもれなく受け止めるーこれが、短期間で売上を大幅に伸ばせた秘訣です。
ECサイト別の特徴に合わせて対策を練る
ひとくくりにECサイトといっても、特徴はそれぞれ異なり、楽天市場とAmazonでも上位表示される商品の評価方法が異なります。その評価方法に合わせた対策が必須になります。
例えば、Amazonでは、「FBA」と呼ばれるAmazonが運営する倉庫に注目するとよいでしょう。Amazonは配送スピードを非常に重視していますが、FBAを利用すると、当日・翌日配送が実現しやすいためおすすめです。
また、商品の魅力が伝わる写真や文章は勿論のこと、戦略的な価格設定まで徹底した準備が求められます。
なにより、Amazonのプラチナムパートナーであるそばにでは、新規出品者の場合でもAmazon運用代行担当者をアサイン可能です。プラチナムパートナーからしか手に入らない情報や広告枠が得られます。
【そばにが総代理店になったあとに得られた成果】 定量:
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